アイルランドの歴史
アイルランドは歴史的に様々な民族の攻防が繰り広げられた土地です。ヨーロッパの他の国と特徴を異にしているのは、ローマ帝国の支配を受けなかったこと、その時代のケルト民族の文化が現在まで引き継がれているのが大きな特徴です。アイルランドの歴史を遡ってみましょう。

<<古代>>

アイルランドに最初に人類の足跡が確認されているのが、約紀元前7000年ごろの中石器時代と言われています。ブリテンから渡ってきた、狩猟民族で北部の沿岸部でその居住跡が確認されています。紀元前3000年頃には新石器文化を持った農耕民族が渡来し、この時代の文化の存在は巨石墓(ドルメンやストーンサークルなど)として今に残っています。

<ニューグレンジ遺跡 ボイン渓谷の遺跡群は世界遺産>

紀元前2000年ごろには青銅器文明を持った人々が、アイルランドにやってきます。この時代の青銅器や細工はアイルランドの各地で発掘されています。この時代の建造物としてはドルメンやストーンサークルが残されています。

 

 

<<ケルト人の到来>>

ケルト人は、中央アジアの草原から馬と馬車を持ってヨーロッパに渡来したインド・ヨーロッパ語族ケルト語派の民族とされています。紀元前500−50年頃にヨーロッパ全土に広がり、全盛期を築きました。しかし、紀元前1-2世紀にローマ帝国それに続いたゲルマン民族に居地を追われ、西へ西へと移動し、紀元前3世紀ごろから徐々に現在のアイルランド島、スコットランド、マン島、ウェールズ、コーンウェル、ブルターニュなどに至ります。ケルト人は鉄の文化をアイルランドにもたらし、5世紀ころまでに、先住民を統治してケルト社会を築きました。

アイルランド島はローマの支配を免れたので、ケルト民族がもたらした言語や文化が島全体に受け継がれ今もその影響が残っています。この時代、ケルト人が信仰していたのはドルイド教です。ドルイド教の法典ブレホン法が制定され、人々はその法典に統制されていました。ケルト人のアイルランドは政治的には統一されていませんでたが、ドルイド教が文化的統一をもたらし、統一言語と民族意識をはぐくんだのです。

 

<<アイルランドのキリスト教化>>

このドルイド教を信仰していたケルト社会のキリスト教化を成し遂げたのが、433年の春にスレーンの丘に到達したと言われる聖パトリックです。
聖パトリック以前にすでにローマから渡った宣教師による布教活動は行われていたものの、教会制度を作り初の司教となったのが聖パトリックです。
アイルランドをキリスト教化した聖パトリックが没したのが461年3月17日、のちにアイルランドの守護聖人とされ、その命日の3月17日はアイルランド最大の祝日「セント・パトリック・デー」となっています。
アイルランドでのキリスト教は、ケルトの民族の古来の宗教や文化とうまく同化する形で広まりました。この時代のキリスト教写本の中にはケルトの伝統的な渦巻きや円で構成されるデザインが現れています。

<初期アイルランド教会 グレンダロッホ Glendalough、クロンマクノイズ Clonmacnois>

 

 

<<聖者の時代>>

7−10世紀、アイルランドが西ヨーロッパの文化の中心であった時代です。修道院が建造され聖職者と信者は福音書の研究や写本装飾を芸術の域へと高めます。
また、キリスト教の修道士によって文字を持たなかったケルトの古い伝承や詩を文字に残す作業が行われました。これにより今日「ケルト神話」として残る伝承が現代に残ったのです。
修道院は人々の文化と精神的の拠り所として、ケルト人の持っていたラ・テーヌ様式がキリスト教とともにさらに発展します。アイルランド出身の修道士がヨーロッパにさかんに布教活動を行ったのもこの時代です。
現在アイルランド国立博物館に収蔵されている、アイルランドの黄金時代の至宝とも言えるアダーの聖杯(Ardagh Chalice リムリックで発見 10C)やクロンマクノイズ司教杖(Crozier of the Abbots of Clonmacnoise 12C)、聖パトリックの鐘、タラのブローチ(Tara brooch 7-8C)、これらはケルト文化の最高峰とされる芸術作品です。

またアイルランド各地に点在する修道院跡には小さな石の教会や礼拝堂、アイルランド独自のケルト十字と呼ばれるラテン十字と太陽のシンボルである円環を組み合わせた十字架が残されています。
この繁栄はバイキングの侵入まで続きました。

 

 

 

<<バイキングの時代>>

8世紀ころから始まった北欧バイキングの略奪活動が次第に活発化していきます。アイルランドにも9世紀から10世紀の始めにかけて沿岸部にバイキングが姿を見せ始めます。バイキングは水利のよい土地に拠点を定めて基地を築き、内陸部へ攻め入るようになります。
ダブリンやその他の港は10世紀半ばまでにバイキングに占領されてしまいます。バイキングによる略奪と戦乱で多くの文化遺産が破壊され、先に栄えた修道院文化も急激に衰退します。

10世紀後半、マンスター王がリムリックのバイキングを打ち破り、その弟ブライアン・ボルーはその勢力をさらに拡大します。
ブライアン・ボルー軍は999年レンスター王国(Kingdom of Leinster)とバイキングの連合軍を破り 1002年、全アイルランドの国王(HIgh King マンスター王)として認められます。1014年にふたたびレンスター王国とマンスター王軍がクロンターフ(Clontarf)で会戦し、マンスター王が勝利しますが、ブライアン・ボルーはこの戦いで戦死してしまいます。
これを契機にバイキングのアイルランド遠征が衰退していきます。

この政治的動乱の時代はアイルランドの文化が大きく繁栄した時代でもあります。文学、芸術、そして宗教改革、アイルランドの伝統に基づいた文学作品が多数生みだされました。

バイキングはその後、アイルランドと交易の関係を続け、ダブリン、コーク、ベックスフォード、リムリック、ウオーターフォードなどに商業都市を建設しました。
アイルランド従来の自然経済はバイキングのもたらした商業経済を吸収していきます。都市に定住したバイキングはケルト人と融合し、11−12世紀にかけてアイルランドの文化は再び大きな発展をします。


<<アングロ・ノルマンの時代>>

アイルランドには国を統一する主導者が現れず、国内の政治的動乱は続き、各地方の諸王の間ではバイキング戦争後も抗争が絶えませんでした。
1166年、レンスター王ダーマット・マクマロー(Diarmuid MacMorrough)はイギリス王ヘンリー2世(イギリスアンジュー朝)に戦いへの援助を求めました。領地拡大の機会を耽々と狙っていたヘンリー2世はそれに応じます。1169年、アングロ・ノルマンの貴族ペンブローク伯リチャード・ド・クレア Richard de Clare(ストロングボウ)がウェールズとフランドルから主力部隊を率いてアイルランドに渡り、レンスター王国を回復し、ストロングボウはダーマットの娘であるイーファと結婚しマクマローの死後王位を継承します。
ヘンリー2世は、ストロングボウの勢力を拡大を恐れ、1171年自らアイルランドに赴きアングロ・ノルマン貴族とアイルランドの諸王達に忠誠を誓わせ、これを征服します。ウォーターフォードとダブリンが王領都市となります。
この後、イギリスはアイルランドへの植民を進め、教皇との交渉でアイルランド卿の称号を手に入れました。ヘンリー2世の息子ジョン王がアイルランド卿を継ぎ、イギリス主導の恒久的な中央政府を組織しようとします。これがイギリスのアイルランドに対する政治的介入の始まりです。

アングロ・ノルマン人貴族とイギリス国王の支配する領土は1250年までにかなりの拡大を遂げます。
アングロ・ノルマン人は要塞を築き、都市を建設しました。現在のアイルランドの都市の礎はこの時代に遡るものが多いです。
13世紀になるとイギリスを規範にした、社会制度が導入され、中央集権化が進みました。
しかし一方ではアイルランド人領主の抵抗が続いており、アングロ・ノルマン人の植民地拡大は次第に勢いを失います。地元民との融合が進み、アングロ・ノルマン人側の課した隔離政策(ゲール語の禁止・アイルランド人との婚姻禁止など)にも関わらず、アングロ・ノルマンが次第にアイルランドの勢力に飲み込まれて行きます。

1348年に流行したペストで都市部に居住していたアングロ・ノルマンが多数病死する一方で田舎に住んでいたアイルランド人への感染が穏やかでした。人口激減がペスト収束後の勢力地図を塗り替えアイルランドの土着の文化が一時的に輝きを増します。

次回に続く>>

こんなユニークな歴史とケルト文化の息づくダブリンで滞在・英語研修をすれば、語学以外にも学べるものが数多く見つかることでしょう。

 

 

 

■ ダブリンで語学学校を探す Booking-by.Net アイルランド留学

 

 

最終更新  2013/03/06 [12:21]

BBNについて 語学学校図鑑 留学手続き お申し込み 現地情報
E-mail 個別留学相談: info@booking-by.net
Tel: +34 95 221 4998
ご質問は営業日(月-金 10:00-19:30 CET)24時間以内にご回答しております。
返信が無い場合はご面倒でも再度ご連絡をお願い致します。
www.booking-by.net

スペイン留学    イギリス留学   アイルランド留学    Nevern House    シニア留学    コスタデルソルステイ
© 1998-2013Booking-by.Net